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2020.11.02

パラレルキャリアについて

パラレルキャリアについて

① パラレルキャリアとは

1999年、経営学者ピータードラッカーの著書「明日を支配するもの」でこれからの新しい生き方のひとつとして提唱しています。
ピータードラッカーは,1999年時点で現在の状況を予測しており、「未来学者」とも言われる、その面目躍如ともいえるでしょう。

パラレルキャリアとは、軸足の本業を持ちつつ、他企業での兼業や会社員起業、ボランティア活動のような社会貢献など、報酬の有無にかかわらず、さまざまな場所で自分を活かしながら活動することを指しています。
ひとつの仕事だけを本業と捉えず、すべての活動を並行した本業と同じように取り組むため、パラレルキャリアを「複業」とも表現しています。

AIの導入やシステム化により大量のリストラや定年制度の廃止、そして働き方改革が施行され大きく働き方が見直され始める中で、さらに新型コロナの流行によりテレワークが普及し、パラレルキャリア(複業)という新しい働き方にも大きな注目が集まってきています。

フレックス制やリモートワークなどワークスタイルの多様化が進み、1つの働き方や1つの生き方だけでなく、自分の今までのスキルやキャリアを活かして活躍の場を増やしていくことで、「個」としての成長へとつながり、人のつながりが増え、そして人生が豊かになっていくというのが「パラレルキャリア」であると言われています。

② パラレルキャリアを推進することで得られる企業のメリット

パラレルキャリアを解禁している企業は、全体の3割から4割程度と言われていますが、企業側にとっては、パラレルキャリアを活用することで得られる沢山のメリットがあります。

複業に関心をもっている人は8割、複業を解禁していない企業に興味がない人は6割というデータがあり、これは採用にも関係してくる数字です、複業を解禁していない企業は今後採用が厳しくなるという傾向にあります。
また、これは離職率にも関係し、複業に興味がある社員を無理矢理縛り付け囲い込もうとすることで、働きにくさから退職してしまうケースも多くあります。

パラレルキャリアを解禁した企業では、社員が社外活動を増やすことで、コミュニケーション力がアップしたり、タイムマネジメントが向上したり、モチベーションがアップするという報告もあり、個人の生産性アップにもつながります。
今までの社内育成という考えから、社外育成という視点に転換することで、これからの企業発展にも関わってきます。
また、自社の人財を社外に出すだけでなく、複業人財を社外から受け入れることで、社内に新しい風が吹き込み、今までにない新規事業のアイデアや内部活性化、イノベーションが起りやすくなるという利点もあります。

③ 優秀なパラレルキャリア人財について

複数の会社にスポットで働くパラレルキャリア(複業)人財が増えていますが、複業求人募集も官庁から行政・大手企業と拡大されてきています。
その背景には、高コストをかけて採用しても、すぐに辞めてしまうリスクやプロフェッショナルスキルのバラつきがあり、企業としても雇用という形態よりもプロジェクトごとや穴埋めとして、業務委託として契約する方が人件費コストやリスクなども抑えられると企業も注目し始め、優秀な人財ほど複業で複数社を掛け持ちするというケースが増えてきています。

今まで、副業で募集されている職種は、アウトソーシング型の代行作業やタスク処理のようなものが多くありましたが、現在は与えられたものをこなすというよりも、ゼロからイチを提案できる人、戦略立案やアイデアだし、新規事業立ち上げができる人など創造力がある人やPR広報・マーケティングなど専門スキルがある人達が外部からの複業人財として求められる傾向があります。

優秀な複業人財は、色々なネットワークや情報をもっているため、それらの知見を活かしてイノベーションを起こすことができます。
これからの企業は優秀なパラレルキャリア人財を積極的に受け入れていくことで、生産性アップやコスト削減につながりさらにリスク軽減もできることで、複業人財の活用はまさに企業にとっても個人にとってもwin-winとなっていきます。